UJNR地震調査専門部会第8回合同部会決議(仮訳)
2010年10月


English
  地震調査専門部会は、地震過程のより基礎的な理解と被害予測に向けた先進的研究を着実に促進させてきた。第8回合同部会は、協力を推進し、日米双方が共有する諸問題について理解を深める点で非常に有意義であった。

 本会合は、地震過程の系統的な観測とモデリングに関する非常に生産的な情報交換を含むものであった。本部会は、地震被害軽減という共通の目的を実現するための協働がもたらす利益を認識する。我々は科学研究の共同体におけるオープンなデータ交換、観測網の高密化を含む諸問題に関する協力が継続することを期待する。また、情報を適時に、広く一般の人が利用できるようにすることの重要性を認識するものである。併せて、研究組織の枠組みを含む研究政策、方針に関する情報交換の重要性についても認識するものである。


協力の領域
  日米両国間の共同研究がめざましい進歩をもたらす可能性のある地震研究の特定の領域としては以下のものなどが含まれる。
●現在及び過去の挙動及び物理学に基づく計算モデルに関する知識を取り入れた、日米両国及び世界における、確率論的地震及び津波の被害予測
● ボアホール歪み計及び海底ケーブル地震計を含む、地震、測地、歪観測のリアルタイム情報
● GNSS、GPS/音波観測、干渉SAR、LiDAR、VLBI、SLR等の地殻変動計測技術
● 古地震学的、測地学的、地震学的手法を用いた地震再来周期研究
● 実験、理論及び現地調査による断層帯物理学
● 地震観測・測地的観測・ボアホール歪み観測・シミュレーション技術を用いた間歇的な微動とスロースリップの研究
● 厳密に評価された科学的予測実験・データベースによる地震予測可能性の系統的研究
● 震源近傍の地震動、地質的影響、構造応答の研究

          本部会は、この部会を構成する日米両国の適切な機関が共同して、また学術関係者を含めて、これらの領域における科学的協力を支援し調整することを強く促す。

          本部会は、研究者の交流の促進、データの交換及び地震調査の進歩発展につながる基礎的研究の重要性を認識する。日米両国は世界にわたるこれらの交流を促進する。本部会はこれらの活動の継続を保証する。


次期会合

          次期の会合は、2012年秋に米国で開催される。

本会議概要