地震予知連絡会の活動報告

第121回地震予知連絡会(1996年11月25日) 議事概要

 平成8年11月25日、国土地理院関東地方測量部において、第121回地震予知連絡会が開催され、大学及び関係観測研究機関より、伊豆半島、東海地方、日向灘等の地震、地殻活動に関する報告があり、議論が行われました。

 以下に主な議事の概要を紹介します。

1. 東海地方の地震、地殻活動

 平成8年10月5日からの静岡県中部の地震について、メカニズム、震源の位置等の特徴について議論があった。発震機構とプレート間カップリングの関係等について、活発な討論があった(気象庁資料1資料2防災科技研資料1資料2地震研究所資料)。

 森〜掛川〜御前崎の水準測量結果では、7月〜10月の変動は、季節変動程度であった。季節変動補正後はわずかに御前崎側が上がりとなるが通常のばらつきの範囲である(国土地理院資料1資料2)。

2. 伊豆地方の地震、地殻活動

 平成8年10月15日からの群発地震活動について(気象庁資料)、その初期に急速に震源が浅くなるような傾向があったこと、後半に震央が拡散し、かつ浅くなったこと、地震は先行するイベントの空白を埋める形で起こっているが、なお空白が残っていること(地震研究所資料)等が注目された。この活動に伴う地殻変動は水準測量から見ると、昨年9、10月のイベントよりやや広く、かつ量的にも大きい。また水平変動では初島に変動が及んでいないことが注目される(国土地理院資料1資料2資料3)。今回のイベントは、地殻変動から見ると本年7月のイベントと一体的に理解すべきものである。各機関のデータを統一的に説明するモデルの検討が必要であることが了解された。

3. 九州地方の地震、地殻活動

 10月19日日向灘の地震について紹介され、1995年より、この地域で稍深発地震が活発化していたことが報告された(気象庁資料1資料2資料2)。GPS連続観測により、この地震に伴って、九州南部の広い範囲で最大2〜3cm程度の地殻変動が検出された(国土地理院資料)。

(事務局:国土地理院)