地震予知連絡会の活動報告

第163回地震予知連絡会(2005年4月7日) 議事概要

 平成17年4月7日、国土地理院関東地方測量部において第163回地震予知連絡会が開催され、第19期地震予知連絡会の執行体制の編成が行われた。

 その後、釧路・根室沖付近の地震・地殻変動に関して3月17日に行われた特定部会打ち合わせ会の報告がなされた。さらに、3月20日に発生した福岡県西方沖の地震に関する観測・研究成果の報告および議論がなされた。以下に、その概要について述べる。

1.第19期の地震予知連絡会の構成について

 全委員の一致した推薦で、大竹委員が会長に選出された。その後、大竹会長により、副会長に、岡田委員、島崎委員が指名された。

 また、中日本部会長には島崎副会長、東日本部会長、西日本部会長に岡田副会長、トピックス部会長には橋本委員が指名され、部会長がそれぞれの部会の委員を指名した。(第19期地震予知連絡会委員名簿)

2.3月17日の特定部会打ち合わせ会の報告について

 3月17日に釧路、根室付近の地殻活動についての特定部会打ち合わせ会が北海道大学において開催され、その結果が報告された。

 地震活動、地殻変動、相似地震解析の結果が、それぞれ釧路・根室付近で、2003年十勝沖地震後の変動とは異なる別なステージの変動が起きている事を示しており、今後の推移を注意深く見ていく必要性が指摘された。

 この釧路・根室付近の変動の監視体制に関して、気象庁、東北大、北海道大、海洋研究開発機構、国土地理院の現状が報告された。(第163回地震予知連絡会資料

3.福岡県西方沖地震について

 2005年3月20日10時53分に福岡県西方沖でM7の地震が発生した(気象庁資料)余震活動は北西−南東方向におよそ30kmにわたって分布している。(九州大学地震火山観測研究センター資料)地震の発震機構は東西に圧力軸を持つ横ずれ断層を示しており、震源分布から、北西−南東方向のほぼ垂直に立った断層面の左横ずれ断層運動が推定された。本震後の余震活動は、博多湾付近にもみられている。(気象庁資料)波形インバージョンの結果には、本震に対して南東方向の浅い領域で大きく滑った領域が推定されている。(気象庁資料

 本震を含む地震のメカニズムは主に東西圧縮の横ずれ断層型であるが、場所によってそれとは若干異なるメカニズムの地震も発生している。(防災科学技術研究所資料)また余震活動は順調に減衰している。(気象庁資料

 本震に関してdCFFによる検討が行われた。本震によるdCFFの増加域に余震が発生している事が示されたが、同じようにdCFFの増加域にはいっている警固断層では余震活動が起きていない点が議論されたが結論はでなかった。(気象庁資料

 過去の地震活動は、2005年福岡県西方沖地震の周辺では低かった事が示された。(気象庁資料

 余震活動は博多湾直下にかけても発生しているが、地質構造との対比から、この余震活動は石堂−海の中道断層とほぼ一致する事が示され、静的応力変化により石堂−海の中道断層が影響を受けている可能性が報告された。(産業技術総合研究所資料

 国土地理院のGPSによる地殻変動観測では、地震観測の結果と調和的な変動が得られている。(国土地理院資料)一部のGPS観測点では、地震後の余効変動が検出されている。(国土地理院資料)観測された地震後の余効変動は今回の地震断層の地震後の滑りでも説明できる事が報告された。(国土地理院資料)GPS連続観測データから、この地域では地殻の歪みが小さかった事がわかっている。(国土地理院資料

 このような領域でM7クラスの大地震が発生したことに関して、その意味が何であるか、議論が行われたが、結論を得るにはいたらなかった。

(事務局:国土地理院)

各機関からの提出議題

【1】気象庁
  A 福岡県西方沖の地震
  B 2004年11月29日釧路沖の地震

【2】国土地理院
  A 2005年3月20日福岡県西方沖の地震に伴う地殻変動
    地震時の水平・上下変動図
    地殻変動モデル
    GPS連続観測結果
    1秒サンプリングGPS解析結果
    福岡県西方沖の地震に伴うCFFの変化
    水平歪図

【3】東京大学地震研究所
  B 遠地実体波解析(暫定解)3月20日福岡県西方沖の地震
  B 2005年福岡県西方沖の地震:震源過程と強振動

【4】京都大学防災研究所
  B 跡津川断層および白山付近の地震について
  B 相島観測点における福岡県西方沖地震の余震波形の地域

【5】九州大学理学研究院
  A 福岡県西方沖地震の活動について

【6】鹿児島大学理学部・九州大学地震火山観測研究センター・
   北海道大学地震火山研究観測センター
  A 2005年福岡県西方沖地震におけるGPS測量結果

【7】統計数理研究所
  A 2005年福岡県西方沖地震(M7.0)の余震活動と地震前の九州地方及び付近における
    地震活動の特徴について

【8】防災科学研究所
  A 2005年3月20日福岡県西方沖の地震 震央分布
  A 本震発生からの震央分布とその時系列変化
  A 余震分布とメカニズム解(P軸・T軸)の分布
  A F-netモーメントテンソル解
  A 福岡県西方沖地震の地震動速報
  A 福岡県西方沖地震の震源過程解析
  A 福岡県西方沖地震前後の傾斜変動

【9】産業技術総合研究所
  A 2005年福岡県西方沖の地震震源域周辺の地質構造概要
  A 震源域周辺の重力異常
  A 余震域周辺で実施した音波探査記録(1985年)
  A 2005年福岡県西方沖地震の震源過程
  A 地震による応力変化と余震活動域の予測

【10】海洋情報部
  A 福岡県西方沖地震の震源域における反射法探査記録について
  A GPSによる地殻変動監視観測

【11】海洋研究開発機構
  A 釧路沖地震の余効変動
A、Bの分類は以下のとおりとなっています。
  (A)議事次第での発表を希望する課題
  (B)資料配付のみとし、特に口頭報告を希望しないもの
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