地震予知連絡会の活動報告

第230回地震予知連絡会(2021年2月26日)議事概要

 令和3年2月26日(金)、第230回地震予知連絡会がオンライン会議形式にて開催された。全国の地震活動、地殻変動等のモニタリングについての報告が行われ、その後、重点検討課題として「東北地方太平洋沖地震から10年-この10年で何が起きたか、何がわかったか-」に関する報告・議論が行われた。以下に、その概要について述べる。

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 記者発表資料(PDF:23.8MB)
 ※記者会見資料に関する注意事項「ゆっくりすべり(SSE)の地震モーメント推定の修正について」をご参照ください。
 ※記者会見資料P.9のすべり分布図について凡例の矢印の数値を1cmから20mmへ修正しました。(2022年6月14日)

記者会見での説明映像(YouTube動画)


1.地殻活動モニタリングに関する検討

1.1 地殻活動の概況

(1)全国の地震活動について

 日本とその周辺で2020年11月から2021年1月までの3か月間に発生したM5以上の地震は32回であった。このうち、最大震度5弱を観測した地震が4回発生した。また、期間外の2021年2月13日に福島県沖で最大震度6強の地震が発生した。(気象庁資料2頁)。

(2)日本周辺における浅部超低周波地震活動

 十勝沖で12月下旬、日向灘で1月上旬に超低周波地震活動を検出した。また、紀伊半島沖で12月中旬~下旬に断続的な超低周波地震活動を検出した(防災科学技術研究所資料3頁)。

(3)日本列島のひずみ変化

 GNSS連続観測によると、最近1年間の日本列島のひずみには、東北地方太平洋沖地震及び熊本地震の余効変動の影響が見られる(国土地理院資料4頁)。

1.2 プレート境界の固着状態とその変化

(1)駿河トラフ・南海トラフ・南西諸島海溝周辺

・西南日本の深部低周波微動・短期的スロースリップ活動状況
 短期的スロースリップイベントを伴う顕著な微動活動が紀伊半島北部(10月31~11月6日)、四国西部から中部(1月12~25日頃)において発生した。 これ以外の主な深部低周波微動活動は、四国東部(1月27~2月3日)、四国中部(12月15~18日頃)、豊後水道から四国西部(11月20~25日頃)で観測された(防災科学技術研究所・資料5−7頁)。
 GNSS連続観測により、2020年10月中旬から11月上旬にかけて紀伊半島北部で、2021年1月中旬から下旬にかけて四国西部で短期的スロースリップが検出された。 プレート間のすべりを推定した結果、紀伊半島北部で最大10mm のすべりが、四国西部で最大20 ㎜のすべりが推定された。 また、2020年夏頃に種子島周辺で短期的スロースリップが検出された。プレート間のすべりを推定した結果、最大3cmのすべりが推定された(国土地理院資料8-11頁)。

・紀伊半島南東沖の浅部低周波微動・浅部超低周波地震活動
 2020年12月6日より紀伊半島南東沖で顕著な微動活動を検出した。 二度の高速逆伝播を伴いながら活動域を南西に拡大し、1月21日頃に大規模な活動は⼀度停止した後、1月26−29日に再び小規模な活動があった(防災科学技術研究所・資料12頁)。
 F-netの連続記録を利用した相互相関解析により、同海域において浅部超低周波地震活動を検出した。 2020年12月6日に東経137.0º付近で活動が開始した後、東西へ約4km/dayで拡大し、潮岬の南南東沖まで至った。活動は、2021年1月14日まで継続した(東京大学地震研究所・防災科学技術研究所13-15頁)。  南海トラフ孔内観測でも、2020年12月~2021年1月にかけて、熊野灘に設置された掘削孔内の間隙水圧、傾斜計の観測にゆっくりとした変動がみられた。 同時期に低周波微動の活発な活動がみられた領域付近の断層(Mw6.1)で、観測された地殻変動が説明できる(海洋研究開発機構資料16-18頁)。

・紀伊半島西部・四国東部の非定常的な地殻変動
 GNSS連続観測により、2020年夏頃から紀伊半島西部・四国東部で非定常的な地殻変動が観測されている。 プレート間のすべりを推定した結果、紀伊水道周辺で最大5cm のすべりが推定された(国土地理院資料19頁)。

・四国中部の非定常的な地殻変動
 GNSS連続観測により、四国中部で2019年春頃から開始した非定常的な地殻変動が引き続き捉えられた。 プレート間のすべりを推定した結果、四国中部で最大15cm のすべりが推定された(国土地理院資料20頁)。

・九州北部、南部の非定常的な地殻変動
 GNSS連続観測により、2020年夏頃から九州北部、南部で非定常的な地殻変動が観測されている。 プレート間のすべりを推定した結果、日向灘北部で最大7cm のすべりが、日向灘南部で最大10cm のすべりが推定された(国土地理院資料21頁)。

1.3 その他

(1)青森県東方沖の地震(12月21日 M6.5)

 2020年12月21日02時23分に青森県東方沖の深さ43kmでM6.5の地震(最大震度5弱)が発生した。 この地震は、発震機構(CMT解)が西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した(気象庁資料22頁)。

(2)福島県沖の地震(2月13日 M7.3)

 2021年2月13日23時07分に福島県沖の深さ55kmでM7.3の地震(最大震度6強)が発生した。 この地震は太平洋プレート内部で発生した。この地震の発震機構(CMT解)は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型である(気象庁資料23頁)。
 この地震に伴い、震央西の福島県南相馬市のGNSS連続観測点で最大1.8cmの地殻変動が観測された。 震源断層モデルを推定したところ、北東−南西走向で南東に傾き下がる断層面上における逆断層すべりが求まった(国土地理院資料24-25頁)。

(3)長野・岐阜・福島県境付近の群発地震活動について

 熱水やマグマ流体の移動や間隙圧の拡散に関連している指標として非ダブルカップル成分比(%CLVD)を調べた結果、群発地震域と御嶽山付近で高い値を示し、 糸魚川静岡構造線やその他の主要な活断層地域では低い値が多いこと、%CLVD が高い値を示す地震は比較的深い場所で起こっていることが分かった。 また、非定常ETASモデルの背景地震活動度を求めた結果、1998年では背景活動度が常時より数⼗倍から数百倍のピークに達しており、 南端領域で深部に活動が集中しているが、2020年では同様なピークが3度あり、深さ方向にまんべんなく広がっていることなどが分かった(統計数理研究所資料26頁)。


3.重点検討課題「東北地方太平洋沖地震から10年 −この10年で何が起きたか、何がわかったか-」の検討

 東北地方太平洋沖地震の前後における地震活動や陸上・海底地殻変動、海域調査による成果、超巨大地震のモデリングに関する報告が行われ、海溝付近の津波発生源や今後の地震活動の推移等について議論が行われた(コンビーナ:東北大学・松澤暢副会長資料28頁)。

◆東北地方太平洋沖における最近の地震活動

東北地方太平洋沖地震の発生前から現在に至る地震活動の推移と今後の見通しに関する報告があった。М5以上の地震活動は、平均的には地震前とほぼ同等なレベルに戻りつつあるが、本震時の大すべり域周辺におけるプレート境界付近の地震活動は2020年末時点で低調なままであること、青森県東方沖-岩手県沖の地震やプレート境界付近の深部で発生する地震はやや活発な活動を継続していること、地震前の地震活動との比較にあたっては地震の約10年前から相対的にМの大きい地震が多かったことに留意する必要があることなどが報告された。また、日本海溝海底地震津波観測網(S-net)の整備による地震検知率及び震源決定精度の向上やスロー地震活動把握の進展について紹介された(防災科学技術研究所・汐見勝彦委員資料30頁)。

◆東北沖地震から10年:海域調査から分かったこと・分からないこと

 地震発生後の海域調査により、震央近傍の測線で50mを超える地震時海底変動が海溝軸まで達していたこと、プレート境界断層は遠洋性堆積層内の数mの層であり地震時摩擦係数0.03-0.08が推定されること、分解能を超える地震時海底変動は北緯38°-38°40′周辺に限定されること、地震時断層大すべり域の北端・南端ではプチスポットの火成活動や海山の沈み込みにより、海洋性堆積層の分布が乱されていることが示されたこと、また津波の解析からは主破壊域の北側に波源が推定されるが、地形解析や測地・地震によるすべり分布解析からは大きなすべりは推定されず、パラドックスとなっているとの報告があった(海洋研究開発機構・小平秀一研究開発センター長資料31頁)。

◆東北地方太平洋沖地震の発生前から現在に至る地殻変動の推移:陸上地殻変動

 GEONET等の陸域観測により、本震前の地殻変動は、東西方向の圧縮、太平洋側の沈降、及び日本海側の隆起を示していたこと、また2000年頃から福島県、茨城県沖で東向きの非定常変動が発生しており、福島沖で固着が弱まっていた可能性が示唆されることなどの報告があった。また、本震時には、東方向への変動及び太平洋沿岸の沈降が起き、本震後の粘弾性緩和と余効すべりによる余効変動は、減衰しながら継続しており特に上下変動は地震前のレベルには戻っていないことが報告された。さらに、2015年以降は数値予測モデルからの乖離が見られ、別の変動現象が示唆されるとの報告があった(国土地理院・黒石裕樹委員資料32頁)。

◆2011年東北沖地震に伴う海底地殻変動観測とその成果の活用

 海底地殻変動観測の結果から、本震前は宮城沖で強い固着が推定され海溝近傍まで固着していた可能性もあること、地震時には宮城沖海溝近傍で大きなすべりが発生したこと、地震後、震源域では粘弾性緩和と固着による西向きへの変動が見られ、震源域の北側では顕著な余効変動は見られない一方、震源域の南側では余効すべりによる東向きの変動が見られることの報告があった。 また、余効変動は、粘弾性緩和と岩手沖、福島沖の余効すべりによって説明されるとの報告があった(海洋研究開発機構・富田史章研究員資料33頁)。

◆東北沖超巨大地震発生サイクルとそれに伴う地殻変動モデリングの進展

 高速での摩擦特性や摩擦発熱等を考慮した地震発生サイクルシミュレーションの結果が紹介された。 速度弱化領域と、低速で速度強化、高速で摩擦発熱による間隙圧上昇に伴う速度弱化(Thermal Pressurization; TP)の特性をもつ領域を組み合わせたモデルを考慮すると、 両者が連動して東北地方太平洋沖地震のような大すべりを生じうること、また、実際に震源域のプレート境界浅部境界で採取されたプレート境界断層物質は低摩擦・低透水性であり、TPを起こしやすいことなどが報告された。 また、深部の余効すべりが宮城県沖地震を短期間に励起する可能性があることを示すシミュレーション結果や、岩石の非線形流動則を考慮したシミュレーションなどが紹介された(建築研究所・芝崎文一郎上席研究員資料34頁)。


4.次回(第231回)重点検討課題
「地震動・津波即時予測技術の高度化 -東北地方太平洋沖地震から10年でどこまで進展したか-」の趣旨説明

 東北地方太平洋沖地震を契機に地震動や津波の即時予測の高度化の研究が進められていることを踏まえ、気象庁の緊急地震速報や津波警報・注意報の高度化、 リアルタイム GNSS による地震像の即時把握、地震動即時予測手法の進展、津波即時予測手法の進展等について報告し、地震の震源像を即時把握するにはどのような方法が有効か、 地震動即時予測や津波即時予測の高度化には今後どのような研究が重要か、モニタリングシステムに今後どのような進展が期待できるか等について議論を行う予定である(コンビーナ:気象研究所・干場充之委員資料35頁)。


5.運営検討部会報告

 令和3年度後期の重点検討課題名が選定され、第233回は「予測実験の実施とその検証に向けて(仮)」について、第234回は「スロー地震の全体像(仮)」について、それぞれ議論を行う予定であることが報告された(事務局資料36頁)。


6.令和3年度地震予知連絡会の開催について

 令和3年度の地震予知連絡会の開催日程について報告があった(事務局資料37頁)。


各機関からの提出議題

《地殻活動モニタリングに関する検討》

【1】気 象 庁
1.	地殻活動の概況
 a.	地震活動
   O 全国M5.0以上の地震と主な地震の発震機構
    ・2020年11月~2021年1月の全国の地震活動概況を報告する。
2.	東北地方太平洋沖地震関連
   S 東北地方太平洋沖地震余震域の地震活動
3.プレート境界の固着状態とその変化
 a.日本海溝・千島海溝周辺
   S 青森県東方沖の地震(11月6日 M5.7)
   S 岩手県沖の地震(12月12日 M5.6)
   O 青森県東方沖の地震(12月21日 M6.5)
    ・2020年12月21日02時23分に青森県東方沖の深さ43kmでM6.5の地震(最大震度5弱)が
      発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ
      逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した。
   S 茨城県沖の地震(11月22日 M5.7)
   S 茨城県沖の地震(12月30日 M5.2)
 b.相模トラフ周辺・首都圏直下
   S 茨城県南部の地震(12月17日 M4.6)
   S 東海・南関東地方の地殻変動
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   S 南海トラフ沿いの地震活動
   S 東海地域から豊後水道にかけての深部低周波地震活動
   S 南海トラフ沿いの長期的スロースリップの客観検知
   S 東海・南関東地方の地殻活動
   S 紀伊半島北部の深部低周波地震活動と短期的ゆっくりすべり(11月1日~11月6日)
   S 四国西部の深部低周波地震活動と短期的ゆっくりすべり(11月20日~11月27日)
   S 四国の深部低周波地震活動と短期的ゆっくりすべり
     (12月11日~12月15日、12月15日~12月18日)
   S 四国の深部低周波地震活動と短期的ゆっくりすべり(1月10日~)
 d.その他
   S 全国GNSS観測点のプレート沈み込み方向の位置変化
   S 中規模繰り返し相似地震の発生状況と発生確率(2021)
4.その他の地殻活動等
   S 釧路沖の地震(12月16日 M5.0)
   S 北海道西方沖の地震(1月12日 M6.0)
   S 胆振地方中東部の地震(1月27日 M5.4)
   O 福島県沖の地震(2月13日 M7.1)※期間外
    ・2021年2月13日23時07分に福島県沖の深さ55kmでM7.3の地震(最大震度6強)が発生した。
      この地震は太平洋プレート内部で発生した。発震機構(CMT解)は西北西-東南東方向に
      圧力軸を持つ逆断層型であった。
   S 硫黄島近海の地震(11月11日 M6.2)
   S 新島・神津島近海の地震(12月18日 M5.0、M4.6、1月1日 M4.7)
   S 栃木県北部の地震(2月2日 M4.0)※期間外
   S サハリン西方沖の地震(12月1日 M6.7)
   S 台湾付近の地震(12月10日 M6.3)

【2】国土地理院 
1.	地殻活動の概況
 b.	地殻変動
   O GEONETによる全国の地殻水平変動
    ・GEONETによるGNSS連続観測から求めた最近1年間及び3か月間の全国の水平地殻変動を報告する。
   O GEONETによる2期間の地殻変動ベクトルの差
    ・最近3か月間の水平方向の地殻変動について、1年前の同時期の水平変動ベクトルとの差を取って
      得られた非定常的な変動の概況を報告する。
   O GNSS連続観測から推定した日本列島のひずみ変化
    ・GNSSデータから推定した日本列島の最近1年間のひずみ変化の概況を報告する。
2.	東北地方太平洋沖地震関連
   O 地殻変動ベクトル
    ・東北地方太平洋沖地震後における水平・上下の地殻変動について、全期間の累積及び最近3か月間の
      変動の概況を報告する。
   O GNSS連続観測時系列
    ・東北地方太平洋沖地震後の東日本におけるGNSS連続観測の時系列の概況を報告する。
   S 成分変位と速度グラフ
   O 変位速度のプレート収束方向に関する水平勾配(北海道~関東地方)
    ・東北地方太平洋沖地震後のプレート間の固着状況の変化について、電子基準点の変位速度のプレート
      収束方向に関する水平勾配によるモニタリングの概況を報告する。
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 b.	相模トラフ周辺・首都圏直下
   S 伊豆半島・伊豆諸島の水平上下変動
 c.	南海トラフ・南西諸島海溝周辺
  【森~掛川~御前崎間の上下変動】
    S 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測
    S 高精度比高観測点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測
    S 高精度比高観測
    O 森~掛川~御前崎間の上下変動 水準測量
    O 水準点2595(御前崎市)の経年変化
    S 水準点(140-1・2595)の経年変化
    S 掛川~御前崎間の各水準点の経年変化
    S 御前崎地方の上下変動 水準測量
   S 御前崎周辺 GNSS連続観測時系列
   S 駿河湾周辺 GNSS連続観測時系列
   S 東海地方の地殻変動
   S 東海地方の非定常地殻変動
   O 紀伊半島北部の非定常水平地殻変動(短期的SSE)
    ・紀伊半島北部において、深部低周波微動と同期したスロースリップをGNSSデータから推定したので、
      その概況を報告する。
   O 紀伊半島西部・四国東部の非定常水平地殻変動(長期的SSE)
    ・2020年夏頃から紀伊半島西部及び四国東部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで
      観測したので、その概況を報告する。
   S 紀伊半島 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測
   S 南海トラフ周辺 GNSS連続観測時系列
   S 南海トラフ沿いの地殻変動
   S 南海トラフ沿いの非定常地殻変動
   O 四国西部の非定常水平地殻変動(短期的SSE)
    ・四国西部において、深部低周波微動と同期したスロースリップをGNSSデータから推定したので、
      その概況を報告する。
   O 四国中部の非定常水平地殻変動(長期的SSE)
    ・2019年春頃から四国中部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで観測したので、
      その概況を報告する。
   S 室戸岬周辺 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測
   S 徳島県美波町~高知県室戸市間の上下変動 水準測量
   S 高知県香南市~室戸市間の上下変動 水準測量
   S 室戸岬の各水準点の経年変化
   S 愛媛県松山市~今治市間の上下変動 水準測量
   O 種子島周辺の非定常水平地殻変動(短期的SSE)
    ・2020年夏頃に種子島周辺において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで観測したので、
      その概況を報告する。
   O 九州北部、南部の非定常水平地殻変動(長期的SSE)
    ・2020年夏頃から九州北部、南部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで観測したので、
      その概況を報告する。
4.	その他の地殻活動等
   S 北海道太平洋岸 GNSS連続観測時系列
  【2021年2月13日に発生した福島県沖の地震に伴う地殻変動】
    Ο 地殻変動ベクトルとGNSS連続観測時系列
     ・GNSS連続観測で地殻変動が検出されたので、その概況を報告する。
    Ο 「だいち2号」によるSAR干渉解析結果
     ・「だいち2号」によるSAR干渉解析の概況を報告する。
    Ο 震源断層モデル
     ・GNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデルを推定したので、その概況を報告する。
   S 伊豆東部地区 GNSS連続観測時系列
   S 伊豆諸島地区 GNSS連続観測時系列
   S 静岡県静岡市~熱海市~神奈川県横浜市間の上下変動 水準測量

【3】北海道大学

【4】東北大学理学研究科・災害科学国際研究所

【5】東京大学地震研究所
2.	東北地方太平洋沖地震関連
   O 2011年東北沖地震による2021年M7.3福島沖地震への影響
    ・粘弾性有限要素法を用いて、粘性緩和と余効すべりを考慮した震源域を通過する断面での応力変化を
      求めた。得られた応力変化は、2月13日の福島沖地震を促進するもので、東北沖地震が今回の地震を
      トリガーした可能性を示唆する。
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 c.	南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   O 2020年12月~2021年1月に紀伊半島南東沖で発生した浅部超低周波地震活動
    ・2020年12月6日より紀伊半島南東沖で発生した浅部超低周波地震活動の検知および震央の再推定により、
      活動の時空間発展を評価し、過去の活動と比較した。

【6】東京工業大学

【7】名古屋大学

【8】京都大学理学研究科・防災研究所
4.	その他の地殻活動等
   S 近畿地方北部の地殻活動
   S 気象庁震度データベースを用いた地震予測

【9】九州大学

【10】鹿児島大学

【11】統計数理研究所
4.	その他の地殻活動等
   O 長野・岐阜・福井県境付近の群発地震活動について
    ・1998年と2020年から最近までの長野・岐阜・福井県境付近の群発地震活動についての活動度や
      メカニズムについて、統計地震学的解析の詳細を報告する。

【12】防災科学技術研究所
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   O 日本周辺における浅部超低周波地震活動(2020年12月~2021年1月)
    ・十勝沖で12月下旬に、日向灘で1月上旬に浅部超低周波地震活動を検出した。また、紀伊半島沖で
      12月中旬から下旬に断続的な超低周波地震活動を検出した。
   O 紀伊半島南東沖の微動活動(2020年12月〜2021年1月)
    ・2020年12月6日頃より紀伊半島の南東沖で顕著な微動活動があった。大規模な活動は2021年1月
      21日頃に一度停止し、1月26日から29日に再び小規模な活動があった。微動の震源は二度の高速
      逆伝播(Rapid Tremor Reversal: RTR)を伴いながら、活動域を南西に拡大した。
   S 南海トラフ周辺における最近の傾斜変動
   O 西南日本の深部低周波微動・短期的スロースリップ活動状況(2020年11月~2021年1月)
    ・短期的スロースリップイベントを伴う顕著な微動活動が、紀伊半島北部において10月31日から
      11月6日に、四国西部から中部において1月12日から25日頃に発生した。これ以外の主な深部
      低周波微動活動は、四国東部(1月27日~2月3日)、四国中部(12月15~18日頃)、豊後水道から
      四国西部(11月20~25日頃)で観測された。
4.	その他の地殻活動等
   S S-netデータによる青森県東方沖の地震の震源分布
   S 2021年2月13日 福島県沖の地震

【13】産業技術総合研究所
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   S 東海・伊豆地域における地下水等観測結果(2020年11月~2021年1月)
   S 紀伊半島~四国の地下水・歪観測結果(2020年11月~2021年8月)
   S 東海・紀伊半島・四国における短期的スロースリップイベント(2020年11月~2021年1月)
4.	その他の地殻活動等
   S 神奈川県西部地域の地下水位観測(2020年11月~2021年1月)
   S 岐阜県東部の活断層周辺における地殻活動観測結果(2020年11月~2021年1月)
   S 近畿地域の地下水・歪観測結果(2020年11月~2021年8月)
   S 鳥取県・岡山県・島根県における温泉水・地下水変化(2020年8月~2021年1月)

【14】海上保安庁
2.	東北地方太平洋沖地震関連
   S 日本海溝沿いの海底地殻変動観測結果
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   S 南海トラフ沿いの海底地殻変動観測結果

【15】海洋研究開発機構
3.	プレート境界の固着状態とその変化
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
   O 南海トラフ孔内(間隙水圧)観測による浅部ゆっくりすべりモニタリング
    ・12月上旬から熊野灘沖で始まった浅部ゆっくり地震(SSE・VLF・微動)の活動を報告する。

【16】その他の機関
記載分類は以下のとおりとなっています。
1.地殻活動の概況
 a.地震活動
 b.地殻変動
2.東北地方太平洋沖地震関連
3.プレート境界の固着状態とその変化
 a.日本海溝・千島海溝周辺
 b.相模トラフ周辺・首都圏直下
 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺
 d.その他
4.その他の地殻活動等

 ・口頭報告(O)
 ・資料提出のみ(S)