地震予知連絡会の活動報告

第125回地震予知連絡会(1997年8月11日) 議事概要

 平成9年8月11日、国土地理院関東地方測量部において、第125回地震予知連絡会が開催され、東海地方の地殻活動、伊豆半島の地殻活動、関東地方、山口県東部、鹿児島県北部の地震活動等について、大学、関係観測研究機関等より観測・研究成果の報告があり、議論が行われました。

 以下に主な議事の概要を紹介します。

1.東海地方の地殻活動

 東海地方ではこの3ヶ月間、特に顕著な地殻活動はみられなかった。

 駿河湾周辺の地震活動については、今年の2−3月頃は昨年と比較してやや低調であったが、現在は元に戻っている(気象庁資料)。

 御前崎地方の地殻変動については、1997年7月の水準測量結果によると、森町を基準として掛川の140−1及び浜岡の2595は、前回観測と比較して共にわずかに沈降していることが報告された。経年的な傾向として、最近は少し沈降の速度が鈍っているようにも見える(国土地理院資料資料2)。水準測量の結果によれば、伊豆半島の内浦を基準として御前崎は0.83cm/年の沈降をみせているが、御前崎と内浦の験潮データによる沈降量0.82cm/年とほぼ一致している(国土地理院資料)。

 御前崎の水準測量には季節変動が見られるが、浜岡の水準点2595の変動と浜岡観測井における地下水位の変動には関連性があることが示された(地質調査所資料)。

 東海、南関東におけるGPS連続観測で得られた地殻変動データの解析により、フィリピン海プレートの沈み込みに伴って陸側プレートが引きずり込まれる、その相互作用の大きさについての推定値が示された。御前崎周辺での引きずり込み速度は、フィリピン海プレートの沈み込み速度3cm/年とほぼ一致し、この地域で陸側プレートが海側プレートと強い相互作用を持っていることが推定された(国土地理院資料)。

2.伊豆半島の地殻活動

 伊豆半島東部ではこの3ヶ月間、特に顕著な地震活動は見られなかったが、伊東周辺では相変わらず地盤の隆起が続いていることが示された。経年的な変化を追ってみると、1989年の手石海丘の噴火前後で隆起の中心がやや北側に移ったような傾向が見える(国土地理院資料)。

3.関東地方の地震活動

 東京都周辺の地震活動度については、1980年以降観測された浅い地震についてみると、最近、やや大きい(M4程度)地震が増加している傾向が示された。その傾向の中で今年7月14日の地震(M3.9)が通常地震活動が見られる場所よりやや深いところに発生した(防災科研資料)。

4.山口県東部の地震活動

 山口県東部では6月25日にM6.1の地震が発生した。この地震のメカニズムは東西圧縮、南北伸張の横ずれであった。この地震の余震分布は北東−南西方向に連なっており、地震断層の方向を示すと考えられる。この地震の余震回数は順調に減少している(気象庁資料)。この地震に伴う地殻変動がGPS連続観測で確認されており、地震のメカニズムと調和的である(国土地理院資料)。

5.鹿児島県北部の地震活動

 鹿児島県北部では3月26日および5月13日にそれぞれM6.3およびM6.2の地震が発生したが、5月13日の地震の余震発生状況について、本震発生後の3日間で当初から見られた東西の連なりに加えて、南北方向に並ぶ余震が次第に南側へ広がって行った様子が示された(気象庁資料)。

 また、3月26日の地震の余震域では継続的に余震が発生し、順調に余震回数が減少していることが示されたが、詳細に見ると3月の地震の余震域では、5月13日の地震直後は狭い領域に余震が集中していたように見える(気象庁資料)。

 3月26日の地震による地殻変動を資源観測衛星JERS―1(ふよう1号)のSAR(合成開口レーダー)で検出した結果と、GPSの観測結果を元に地震断層のパラメータを推定した。このモデルに基づき計算で求めた変動と観測との比較が示された。また、5月13日の地震による地殻変動については、GPS連続観測から得られた水平変動データを用いて断層モデルを作成した(国土地理院資料)。

(事務局:国土地理院)

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