地震予知連絡会の活動報告

第114回地震予知連絡会(1995年4月6日) 議事概要

 平成7年4月6日、国土地理院関東地方測量部において、第114回地震予知連絡会が開催され、第14期の委員による役員の選挙等を行うとともに、今後の地震予知連絡会の活動や、新潟県北部の地震について議論を行いました。

 以下に主な議事の概要を紹介します。

1.役員の選挙等について

 委員の互選により、会長に茂木日本大学教授が選出され、会長により宇津東京大学名誉教授と青木名古屋大学名誉教授が副会長に指名されました。さらに、宇津副会長は強化地域部会長、青木副会長は特定部会長に指名され、両部会長より両部会の委員が指名されました。選出された各委員の任期は平成7年4月6日〜平成9年3月31日の2年間です。

2.新潟県北部の地震について

 4月1日12時49分、新潟県北部を震源とするM6.0の地震が発生し、新潟、笹神村等で震度IVの揺れを観測した(気象庁資料)。余震は、狭い地域に固まって発生している。2日のM5.2、5日のM4.7を含め、M4以上の地震がいくつか発生しており、余震活動にはしばらく注意する必要がある(気象庁資料)。東京大学地震研究所によると、余震はかなり狭い地域に固まっており、本震も含め非常に浅いところで発生していることが特徴で、被害が限定した地域に見られることの一因との見方も出された(東京大学地震研究所資料)。本震及び最大余震の発震機構は西北西—東南東圧縮の逆断層型であり、概ねこの地域の地震のメカニズムと一致する(気象庁資料)。この地震の東にはほぼ南北走向の逆断層である月岡断層がであるが、余震分布はこの断層の位置と一致しない。今後ボーリングデータ等を検討し、活断層や地質構造との関係を調査することとした。

 新潟地震が発生した1964年から日本海沿岸の地震活動を見ると、新潟地震の余震域のすぐ南に地震活動の低い地域があり、空白域との指摘もある(気象庁資料)。今回の地震はこの地震活動の低い地域の北東縁で発生しており、今後観測・測量を強化し、地震活動の推移を見守ることとした。

 GPS連続観測では、地震前後のデータの比較から、誤差を超える有意な変動は見いだされなかった(国土地理院資料)。

 尚、国土地理院は同地域に関して水準測量(4/13〜4月下旬、観測数量52km)と宇宙技術を用いたGPS(汎地球側位システム)機動連続観測(5月中旬〜地震がおさまるまでの期間)を行い、地殻活動の常時監視を予定しています。これらの観測結果は、地震予知連絡会等に提供され、今後の地震活動の判断資料となります。

(事務局:国土地理院)