会報に関するご質問(FAQ)



Q1 地殻変動ベクトルを1年前と比較するのは何故?

該当ページ(会報第103巻 p14〜p15 第7図〜第9図)

地殻変動には、スロースリップや火山活動等に伴う非定常的な地殻変動以外に、プレート運動の影響による定常的な地殻変動や季節変動的なノイズが含まれています。これらの変化は1年前の同時期とほぼ同じであると期待されることから、その差をとることによって定常的な地殻変動やノイズの影響を軽減し、非定常的な地殻変動を浮き上がらせるという目的があります。

例として、図1(C)は、[(1)2018年1月から2018年4月までに生じた地殻変動]と[(2) 2019年1月から2019年4月までに生じた地殻変動]の差を表示したものです。四国西部で非定常的な地殻変動(スロースリップ)が発生している(1)の期間のベクトル(図1(A))と、1年前の同時期の定常的な地殻変動等を示す(2)の期間のベクトル(図2(B))の差をとることにより、図1(C)では四国西部のスロースリップに伴う地殻変動の大きさや範囲が明瞭に表示されていることがわかります。(国土地理院)


Q2回答図

図1:2期間の地殻変動ベクトルの差(事例1)
※上図をクリックすると拡大図をご覧いただけます。

Q2 地殻変動ベクトルの2期間の差が、実際の変動の向きと逆になる場合があるのは何故?

該当ページ(会報第103巻 p15 第8図)

該当ページの第8図では、房総半島のスロースリップが実際の変動とは逆向きに表示されています。これは、第8図が「地殻変動」そのものではなく、「地殻変動の差」を表示していることによるものです。

例として、図2(C)は、[(1)2018年4月から2018年7月までに生じた地殻変動]と[(2) 2019年4月から2019年7月までに生じた地殻変動]の差を表示したものです。(1)の期間では、房総半島にスロースリップが発生しており、当該地域のベクトルは南東向き(スロースリップの向き)を示しています(図2(B))。一方、(2)の期間では、房総半島において顕著な地殻変動はみられません(図2(A))。図2(C)では、図2(A)のベクトルから図2(B)のベクトルを引いたものを表示するので、図2(B)のベクトルが反転して表示されることになります。(国土地理院)


Q2回答図

図2:2期間の地殻変動ベクトルの差(事例2)
※上図をクリックすると拡大図をご覧いただけます。

Q3 地殻変動数値データがダウンロードできません。

該当ページ(会報第100巻 p95 第1図)

ページ内の数値ボタンを押すと、図に対応する数値データが表示される仕組みですが、一部のブラウザ(Chromeなど)では正常に動作しない場合がございます。IE、Firefoxでは正常に動作することを確認しております。(国土地理院)

Q4 地殻変動数値データの公開は終了してしまったのでしょうか?

該当ページ(100巻 p129 第11図)(102巻 p153 第12図)

会報第100巻まで公開していた、国土地理院の水準測量による地殻変動の数値データは速報値であり、暫定的な値が含まれておりました。データの利用のされかたなどを考慮してあらためて検討した結果、同じく国土地理院より公開されており、より信頼度の高い「一等水準検測成果収録」を利用していただいたほうが良いと判断し、第101巻以降は提供を取りやめております。今後は「一等水準検測成果収録」を御利用ください。(国土地理院)