地震予知連絡会の活動報告
第231回地震予知連絡会(2021年5月28日)議事概要
令和3年5月28日(金)、第231回地震予知連絡会がオンライン会議形式にて開催されました。全国の地震活動、地殻変動等のモニタリングについての報告が行われ、その後、重点検討課題として「地震動・津波即時予測技術の高度化-東北地方太平洋沖地震から10年でどこまで進展したか-」に関する報告・議論が行われました。以下に、その概要について述べる。
記者発表資料一括ダウンロード
記者発表資料(PDF:40.7MB)
※記者会見資料13枚目(p9)の図の説明について、すべり方向の記載を訂正しました。(2021年7月20日)
※記者会見資料7枚目(p3)一部地震の震源の深さについてCMT解の値に変更しました。(2021年8月31日)
※記者会見資料に関する注意事項「ゆっくりすべり(SSE)の地震モーメント推定の修正について」をご参照ください。
記者会見での説明映像(YouTube動画)
1.第27期の地震予知連絡会の体制について
全会一致で山岡耕春委員が会長に選出された。山岡会長より、松澤暢委員と小原一成委員が副会長に指名された。小原一成委員が運営検討部会長に指名された。 東京大学・石山達也准教授、京都大学・西村卓也准教授、産業技術総合研究所・今西和俊総括研究主幹、海上保安庁・石川直史地震調査官が新たに委員に就任した(地震予知連絡会委員第27期委員名簿1頁)。
2.地殻活動モニタリングに関する検討
2.1 地殻活動の概況
(1)全国の地震活動について
日本とその周辺で2021年2月から4月までの3か月間に発生したM5以上の地震は30回であった。このうち、最大震度5弱を観測した地震が3回発生した。また、期間外の2021年5月1日に宮城県沖で最大震度5強を観測した地震が発生した(気象庁資料3頁)。
※一部地震の震源の深さについてCMT解の値に変更しました。(2021年8月31日)
(2)日本周辺における浅部超低周波地震活動
2021年2月から4月までの間に掲載基準を満たす超低周波地震活動は検出されなかった(防災科学技術研究所資料4頁)。
(3)日本列島のひずみ変化
GNSS連続観測によると、最近1年間の日本列島のひずみには、東北地方太平洋沖地震及び熊本地震の余効変動の影響が見られる。また、福島県沖の地震および宮城県沖の地震の影響が見られる(国土地理院資料5頁)。
2.2 プレート境界の固着状態とその変化
(1)駿河トラフ・南海トラフ・南西諸島海溝周辺
・西南日本の深部低周波微動・短期的スロースリップ活動状況
主な微動活動は、東海地方(2月18日-22日、4月30日-5月4日)、紀伊半島中部(4月27日-5月4日)、紀伊半島中部(4月27日-5月4日)、
紀伊半島南部(2月23日-27日)、四国東部(1月27日-2月3日、3月16日-24日)、四国中部(4月9日-11日)、四国西部から豊後水道(3月22日-28日頃)で観測された(防災科学技術研究所資料6頁)。
・紀伊半島西部・四国東部の非定常的な地殻変動
紀伊半島西部・四国東部で2020年夏頃から観測されている非定常的な地殻変動は、最近は鈍化している(国土地理院資料7頁)。
・四国中部の非定常的な地殻変動
GNSS連続観測により、四国中部で2019年春頃から開始した非定常的な地殻変動が引き続き捉えられた。プレート間のすべりを推定した結果、四国中部で最大13cmのすべりが推定された(国土地理院資料8頁)。
・九州北部、南部の非定常的な地殻変動
2020年夏頃から九州北部で観測されている非定常的な地殻変動は、最近では鈍化している。一方、GNSS連続観測により、九州南部で2020年夏頃から開始した非定常的な地殻変動は引き続き捉えられた。プレート間のすべりを推定した結果、日向灘南部で最大13cmのすべりが推定された(国土地理院資料9頁※)。
※図の説明について、すべり方向の記載を訂正しました。(2021年7月20日)
2.3 その他
(1)福島県沖の地震(2月13日 M7.3)
2021年2月13日23時07分に福島県沖の深さ55kmでM7.3の地震(最大深度6強)が発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、
太平洋プレート内部で発生した。この地震により宮城県の石巻港(国土交通省港湾局)で最大22cmの津波を観測したほか、宮城県から福島県の沿岸で津波を観測した(気象庁資料10-12頁)。
この地震に伴い、震央西の福島県のGNSS連続観測点で西方向に最大約2cmの地殻変動が観測された。震源断層モデルを推定したところ、北東-南西走向で南東に傾き下がる断層面上における逆断層すべりが求まった(国土地理院資料13-14頁)。
また、三次元地震波速度構造及び観測点補正値を用いて震源の再決定を行った結果からも、2月13日から14日の地震は太平洋プレート内の地震活動であったことが示唆された(防災科学技術研究所資料15頁)。
(2)宮城県沖の地震(3月20日 M6.9)
2021年3月20日18時09分に宮城県沖の深さ59kmでM6.9の地震(最大震度5強)が発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、
太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した(気象庁資料16-18頁)。
この地震に伴い、震央西の宮城県のGNSS連続観測点で東南東方向に最大約2cmの地殻変動が観測された。また、宮城県北部を中心とした小さな沈降と牡鹿半島で小さな隆起が観測された。
GNSS観測による地殻変動からプレート境界のすべりを推定した結果、牡鹿半島沿岸から沖合にかけて、最大約60cmのすべりが推定された(国土地理院資料19-21頁)。
(3)宮城県の地震(5月1日 M6.8)
2021年5月1日10時27分に宮城県沖の深さ51kmでM6.8の地震(最大震度5強)が発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、
太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した(気象庁資料22頁)。
この地震に伴い、震央西の宮城県のGNSS連続観測点で東南東方向に最大約1cmの地殻変動が観測された。
また、牡鹿半島周辺で小さな沈降が観測された。GNSS観測による地殻変動からプレート境界のすべりを推定した結果、牡鹿半島の沖合で、最大20cm弱のすべりが推定された(国土地理院資料23-25頁)。
(4)宮城県の地震活動
2021年3月20日と5月1日の地震に伴うプレート境界でのすべり分布を比較するため、2005年8月16日の宮城県沖の地震(M7.2)についてプレート境界でのすべりを推定した結果、
最大約40cmのすべりが推定された(国土地理院資料26頁)。
三次元地震波速度構造及び観測点補正値を用いて震源の再決定を行った結果からも、3月20日及び5月1日の地震は、いずれも陸側プレートと太平洋プレートの境界部で発生した地震活動であったと考えられる。
それぞれの地震に関して強震波形記録を用いた震源過程解析を行った結果、3月20日の地震については、破壊開始点付近と破壊開始点の南側の領域に大きなすべり(最大1.1 m)が推定された。
また、5月1日の地震では、破壊開始点付近に大きなすべり(最大1.6 m)が推定された(防災科学技術研究所資料27-29頁)。
2011年東北地方太平洋沖地震の余効滑りは10年経っても継続しており、特に3月20日の地震のすぐ北側で大きくすべっていた。3月20日の地震によってせん断応力が増加したと推測される領域内で5月1日の地震が発生しており、
またこれら二つの地震によって周辺の数十kmの範囲のプレート境界でせん断応力が増加しているものと推測される(東北大学資料30頁)。
(5)ケルマデック諸島の地震(3月5日 Mw8.1)
2021年3月5日04時28分(日本時間、以下同じ)にケルマデック諸島の深さ29kmでMw8.1の地震が発生した。この地震は、発震機構が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、 太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートとの境界で発生した。この地震により、日本国内では岩手県の久慈港や東京都の父島二見で最大19cmの津波を観測したほか、北海道から千葉県にかけての太平洋側沿岸で津波を観測した。 また、今回の地震が発生する約1時間50分前の02時41分に、今回の地震の震央近傍の深さ43kmでMw7.4の地震が発生した。この地震は、発震機構が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、 太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートとの境界で発生した(気象庁・資料31頁)。
3.重点検討課題「地震動・津波即時予測技術の高度化
-東北地方太平洋沖地震から10年でどこまで進展したか-」の検討
東北地方太平洋沖地震を契機に地震動や津波の即時予測の高度化の研究が進められていることを踏まえ、気象庁の緊急地震速報と津波警報・注意報の高度化、リアルタイムGNSSによる地震像の即時把握、 地震動及び津波の即時予測に関する研究の進展の報告が行われ、こうした即時予測をさらに迅速に精度良くするには、今後どのような技術が必要か、 特に、発生頻度が少ないものの大きな被害をもたらす巨大地震にも有効な即時予測を行うためには何が有効かについて議論が行われた(コンビーナ:気象研究所・干場充之委員資料34-35頁)。
◆気象庁の緊急地震速報と津波警報・注意報の高度化
東北地方太平洋沖地震で明らかとなった課題に対応するため、緊急地震速報と津波警報・注意報の高度化についての取り組みが報告された。
緊急地震速報の高度化については、同時発生する複数の地震を分離できず1つの大きな地震が発生したと誤認する問題に対応するためのIPF法の導入、
震源域が大きい場合に揺れを過小評価する問題に対応するためのPLUM法の導入、海底地震計の活用による海域で発生する地震の情報発表の迅速化等の取り組みが報告された。
津波警報・注意報の高度化については、津波の規模の過小評価の防止や伝え方の改善、沖合の観測データを監視に活用し津波の情報をいち早く伝達する方法、
海底津波計のデータを用い精度の高い津波高を予測する手法(tFISH)などについて報告された(気象庁・桑山辰夫資料36頁)。
◆リアルタイムGNSS解析による地震像の即時把握
電子基準点のリアルタイム解析に基づく震源断層推定システム(REGARD)により、巨大地震発生後数分で得られた地表変位ベクトル、矩形断層モデルやプレート境界面のすべり分布モデルの震源断層推定結果が紹介され、
さらに、M7程度の地震でも大きな地殻変動が捕捉できる場合には、震源断層モデルを数分で推定可能であることが報告された。一方で、過大な断層モデルを推定する場合があることへの予防策、
不確実性をより適切に評価可能な断層モデル推定手法の開発など、システムの精度・信頼度の向上に向けた検討の取り組みも報告された(国土地理院・村松弘規、東北大学・太田雄策准教授資料37頁)。
◆地震動即時予測の研究:最近10年の進展から
東北地方太平洋沖地震以降の、地震動即時予測に関して3つの側面からの進展が報告された。
1)地震波の伝播予測では、震源パラメータの即時推定に関して、複数の地震に対応できる手法、震源域の即時推定手法、GNSSによる飽和しないマグニチュードの推定手法の開発が進展した。
また震源とマグニチュードにかかわらず、揺れから揺れを予測する手法が進展している。2)P波とS波の速度差を利用する点については、S波群中のP波を抽出する方法が研究されている。
3)初期段階の破壊から地震の最終的な大きさを予測するという点では、その可能性が依然議論の対象となっている状態であり、破壊の成長に合わせた警報の逐次更新の必要性が認識されている。
また、観測網の充実により海底地震計の活用が進んでいるほか、スマホでの仮想的な超密観測網、重力波の活用といった研究も行われていることが報告された(気象研究所・干場充之委員資料38頁)。
◆津波即時予測手法の進展
S-net(高密度観測網)が設置されたことにより、海底圧力計の観測データのみから津波即時予測を実施する手法が世界に先駆けて開発されてきた。
データ同化手法、AI 技術を用いた手法が開発されつつあり、両者とも地震発生後10分前後で津波浸水予測が実現可能な手法の開発であるとの報告があった(北海道大学・谷岡勇一郎教授資料39頁)。
4.次回(第232回)重点検討課題
「地震発生予測に向けた沈み込み帯での地震準備・発生過程の物理モデル」の趣旨説明
沈み込み帯での複雑・多様なすべり現象を説明するために様々な物理・化学過程やランダム過程を取り入れた多種多様なモデルが提案され、地震発生の全過程の理解は確実に進んできている。
しかしながら、これらの理解を地震発生予測に活かすという地震発生の物理の当初の観点での進展は十分とは言い難い。
このような現状を踏まえ、沈み込み帯における大地震準備・発生過程、大地震発生前後の多様性、地震ならびにゆっくり地震の発生過程等の物理モデルについて報告し、
地震発生の複雑さ・多様性を踏まえるとどのような地震発生予測が実現可能か、地震発生予測の観点ではどのような物理モデルが有効といえるか、
物理モデルを地震発生予測に活かすために今後どのような研究が特に必要か等について議論を行う予定である(コンビーナ:海洋研究開発機構・堀高峰委員資料40頁)。
各機関からの提出議題
《地殻活動モニタリングに関する検討》
【1】気 象 庁 1. 地殻活動の概況 a. 地震活動 O 全国M5.0以上の地震と主な地震の発震機構 ・2021年2月~2021年4月の全国の地震活動概況を報告する。 2. 東北地方太平洋沖地震関連 S 東北地方太平洋沖地震余震域の地震活動 3.プレート境界の固着状態とその変化 a.日本海溝・千島海溝周辺 S 北海道東方沖の地震(3月3日 M5.9) O 宮城県沖の地震(3月20日 M6.9) ・2021年3月20日18時09分に宮城県沖の深さ59kmでM6.9の地震(最大震度5強)が 発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ 逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した。 S 宮城県沖の地震(4月18日 M5.8) O 宮城県沖の地震(5月1日 M6.8) ※期間外 ・2021年5月1日10時27分に宮城県沖の深さ51kmでM6.8の地震(最大震度5強)が 発生した。この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ 逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した。 S 福島県沖の地震(5月14日 M6.3)※期間外 b.相模トラフ周辺・首都圏直下 S 東海・南関東地方の地殻変動 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺 S 南海トラフ沿いの地震活動 S 東海地域から豊後水道にかけての深部低周波地震活動 S 南海トラフ沿いの長期的スロースリップの客観検知 S 東海・南関東地方の地殻活動 S 東海から紀伊半島の深部低周波地震(微動)活動と短期的ゆっくりすべり (2月14日~2月23日、2月23日~2月27日) S 紀伊半島北部の深部低周波地震(微動)活動と短期的ゆっくりすべり(4月27日~) S 東海の深部低周波地震(微動)活動と短期的ゆっくりすべり(4月29日~) S 紀伊半島西部の深部低周波地震(微動)活動と短期的ゆっくりすべり(3月16日~3月17日) S 四国の深部低周波地震活動(微動)と短期的ゆっくりすべり(3月20日~4月1日) S 四国中部の深部低周波地震活動(微動)と短期的ゆっくりすべり(4月9日~4月12日) d.その他 S 全国GNSS観測点のプレート沈み込み方向の位置変化 S ローヤリティー諸島南東方の地震(2月10日 Mw7.7) O ケルマデック諸島の地震(3月5日 Mw8.1) ・2021年3月5日04時28分(日本時間、以下同じ)にケルマデック諸島の深さ29kmで Mw8.1の地震が発生した。この地震は、発震機構が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ 逆断層型で、太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートとの境界で発生した。 この地震により、日本国内では岩手県の久慈港や東京都の父島二見で最大19cmの津波を 観測したほか、北海道から千葉県にかけての太平洋側沿岸で津波を観測した。また、 今回の地震が発生する約1時間50分前の02時41分に、今回の地震の震央近傍の深さ43kmで Mw7.4の地震が発生した。この地震は、発震機構が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ 逆断層型で、太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートとの境界で発生した。 4.その他の地殻活動等 S 北海道東方沖の地震(2月20日 M5.0) O 福島県沖の地震(2月13日 M7.1) ・2021年2月13日23時07分に福島県沖の深さ55kmでM7.3の地震(最大震度6強)が発生した。 この地震は、発震機構(CMT解)が西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、 太平洋プレート内部で発生した。この地震により、宮城県の石巻港(国土交通省港湾局)で 最大22cmの津波を観測したほか、宮城県から福島県の沿岸で津波を観測した。 S 岩手県沖の地震(2月14日 M5.1) S 岩手県内陸北部の地震(2月19日 M4.2) S 宮城県沖の地震(3月9日 M4.9) S 福島県沖の地震(3月17日 M5.2) S 福島県沖の地震(5月5日 M5.1)※期間外 S 栃木県北部の地震(2月2日 M4.0) S 茨城県南部の地震(3月16日 M4.9) S 八丈島東方沖の地震(3月28日 M5.6) S 長野県北部の地震活動(最大規模の地震:4月13日 M3.6) S 伊豆大島近海の地震活動(最大規模の地震:4月21日 M4.3) S 和歌山県北部の地震(2月15日 M4.0) S 和歌山県北部の地震(3月15日 M4.6) S 広島県北部の地震(4月18日 M3.6) S 熊本県熊本地方の地震(3月14日 M4.4) S トカラ列島近海の地震活動 (最大規模の地震:4月10日 M5.3、4月12日 M5.3) S 熊本県熊本地方の地震(5月6日 M4.0)※期間外 S 宮古島北西沖の地震(3月27日 M6.2) S 台湾付近の地震(4月18日 M6.1) S ニュージーランド、北島東方沖の地震(3月4日 Mw7.2) 【2】国土地理院 1. 地殻活動の概況 b. 地殻変動 O GEONETによる全国の地殻水平変動 ・GEONETによるGNSS連続観測から求めた最近1年間及び3か月間の全国の水平地殻変動を報告する。 O GEONETによる2期間の地殻変動ベクトルの差 ・最近3か月間の水平方向の地殻変動について、1年前の同時期の水平変動ベクトルとの差を取って 得られた非定常的な変動の概況を報告する。 O GNSS連続観測から推定した日本列島のひずみ変化 ・GNSSデータから推定した日本列島の最近1年間のひずみ変化の概況を報告する。 2. 東北地方太平洋沖地震関連 O 地殻変動ベクトル ・東北地方太平洋沖地震後における水平・上下の地殻変動について、全期間の累積及び最近3か月間の 変動の概況を報告する。 O GNSS連続観測時系列 ・東北地方太平洋沖地震後の東日本におけるGNSS連続観測の時系列の概況を報告する。 S 成分変位と速度グラフ O 変位速度のプレート収束方向に関する水平勾配(北海道~関東地方) ・東北地方太平洋沖地震後のプレート間の固着状況の変化について、電子基準点の変位速度のプレート 収束方向に関する水平勾配によるモニタリングの概況を報告する。 3. プレート境界の固着状態とその変化 b. 相模トラフ周辺・首都圏直下 S 伊豆半島・伊豆諸島の水平上下変動 c. 南海トラフ・南西諸島海溝周辺 【森~掛川~御前崎間の上下変動】 S 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測 S 高精度比高観測点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測 S 高精度比高観測 S 御前崎周辺 GNSS連続観測時系列 S 駿河湾周辺 GNSS連続観測時系列 S 東海地方の地殻変動 S 東海地方の非定常地殻変動 O 紀伊半島西部・四国東部の非定常水平地殻変動(長期的SSE) ・2020年夏頃から紀伊半島西部及び四国東部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動を GNSSで観測したので、その概況を報告する。 S 紀伊半島 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測 S 南海トラフ周辺 GNSS連続観測時系列 S 南海トラフ沿いの地殻変動 S 南海トラフ沿いの非定常地殻変動 O 四国中部の非定常水平地殻変動(長期的SSE) ・2019年春頃から四国中部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで観測したので、 その概況を報告する。 S 室戸岬周辺 電子基準点の上下変動 水準測量とGNSS連続観測 O 九州北部、南部の非定常水平地殻変動(長期的SSE) ・2020年夏頃から九州北部、南部において、これまでの傾向とは異なる地殻変動をGNSSで 観測したので、その概況を報告する。 4. その他の地殻活動等 S 北海道太平洋岸 GNSS連続観測時系列 【2021年2月13日に発生した福島県沖の地震に伴う地殻変動】 Ο 地殻変動ベクトルとGNSS連続観測時系列 ・GNSS連続観測で地殻変動が検出されたので、その概況を報告する。 Ο 「だいち2号」によるSAR干渉解析結果 ・「だいち2号」によるSAR干渉解析の概況を報告する。 Ο 震源断層モデル ・GNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデルを推定したので、その概況を報告する。 【2021年3月20日に発生した宮城県沖の地震に伴う地殻変動】 Ο 地殻変動ベクトルとGNSS連続観測時系列 ・GNSS連続観測で地殻変動が検出されたので、その概況を報告する。 Ο すべり分布図 ・GNSSで観測された地殻変動を基に、プレート面上の断層すべりを仮定してすべり分布を 推定したので、その概況を報告する。 Ο 震源断層モデル ・GNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデルを推定したので、その概況を報告する。 【2021年5月1日に発生した宮城県沖の地震に伴う地殻変動】 Ο 地殻変動ベクトルとGNSS連続観測時系列 ・GNSS連続観測で地殻変動が検出されたので、その概況を報告する。 Ο すべり分布図 ・GNSSで観測された地殻変動を基に、プレート面上の断層すべりを仮定してすべり分布を 推定したので、その概況を報告する。 Ο 震源断層モデル ・GNSSで観測された地殻変動を基に震源断層モデルを推定したので、その概況を報告する。 S 伊豆東部地区 GNSS連続観測時系列 S 伊豆諸島地区 GNSS連続観測時系列 S 測地VLBI観測(超長基線測量) Ο 2021年5月21日中国青海省の地震に伴う地殻変動 ・2021年5月21日(UTC)に中国青海省で発生した地震(Mw7.3)について、だいち2 号の データの解析を行ったので、その概況を報告する。 【3】北海道大学 【4】東北大学理学研究科・災害科学国際研究所 4. その他の地殻活動等 【3月と5月の宮城県沖の地震の滑り量分布と,その地震の前のプレート境界滑りの状況について】 Ο 繰り返し地震活動から見た,東北沖地震後のプレート境界滑り状況と,最近の福島沖と 宮城県沖の地震との関係について ・今回の地震を含む2011年東北沖地震の地震時すべり域の深部延長では広域で余効すべりが 長期にわたり続いており、特に3月の地震の北側では大きくすべっている.3月と5月の 地震周辺は、断層深部領域中では比較的すべりレートが低く,これらの地震は,断層深部での 局所的なすべり遅れを解消したと考えられる。一方,より沖合の東北沖地震の地震時すべり域では, 東北沖地震後,繰り返し地震活動が低調な状態が継続しており,プレート境界でのすべりが ほとんど起きていない可能性が高い。 Ο 見かけモーメントレート関数(AMRF)の解析に基づく,3月と5月の宮城県沖の地震の 滑り量分布について ・地震波解析により3月と5月の宮城沖の地震のすべり分布を推定した。3月の地震破壊は 東北沖地震前には地震すべりを生じさせていなかった領域から開始したことが分かった。 3月の地震は破壊開始点南東側と更に南部で大すべりを生じた。5月の地震は破壊開始点の すぐ東南東側で大すべりが生じ,破壊は北側に進展していった。2つの地震により更に東側の 大地震パッチのせん断応力が増加したと考えられる。 【5】東京大学地震研究所 【6】東京工業大学 【7】名古屋大学 【8】京都大学理学研究科・防災研究所 【9】九州大学 【10】鹿児島大学 【11】統計数理研究所 【12】防災科学技術研究所 3. プレート境界の固着状態とその変化 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺 O 日本周辺における浅部超低周波地震活動(2021年2月~4月) ・期間内に掲載基準を満たす超低周波地震活動なし。 S 南海トラフ周辺における最近の傾斜変動 O 西南日本の深部低周波微動・短期的スロースリップ活動状況(2021年2月~4月) ・主な深部低周波微動活動は、東海地方(2月18~22日,4月30日~5月4日)、紀伊半島中部 (4月27日~5月4日)、紀伊半島南部(2月23~27日)、四国東部(1月27日~2月3日, 3月16~24日)、四国中部(4月9~11日)、四国西部から豊後水道(3月22~28日頃)で観測された。 4. その他の地殻活動等 O 2021年2月13日 福島県沖の地震 ・三次元地震波速度構造や観測点補正値を用いて震源再決定を実施した結果、2月13~14日の 地震は、スラブ内の地震活動であったことが示唆された。 O 2021年3月20日および5月1日宮城県沖の地震 ・三次元地震波速度構造や観測点補正値を用いて震源再決定を実施した結果、3月20日、 5月1日の地震は、プレート境界の地震活動であったと考えられる。それぞれの地震に関して 強震波形記録を用いた震源過程解析を行った結果、3月20日の地震について、破壊開始点付近と 破壊開始点の南側の領域に大きなすべり(最大1.1m)が推定された。また、5月1日の地震は、 破壊開始点付近に大きなすべり(最大1.6 m)が推定された。 【13】産業技術総合研究所 3. プレート境界の固着状態とその変化 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺 S 東海・伊豆地域における地下水等観測結果(2021年2月~2021年4月) S 紀伊半島~四国の地下水・歪観測結果(2021年2月~2021年4月) S 東海・紀伊半島・四国における短期的スロースリップイベント(2021年2月~2021年4月) 4. その他の地殻活動等 S 神奈川県西部地域の地下水位観測(2021年2月~2021年4月) S 岐阜県東部の活断層周辺における地殻活動観測結果(2021年2月~2021年4月) S 近畿地域の地下水・歪観測結果(2021年2月~2021年4月) S 鳥取県・岡山県・島根県における温泉水・地下水変化(2020年11月~2021年4月) 【14】海上保安庁 1. 地殻活動の概況 b. 地殻変動 S 下里水路観測所におけるSLR観測 2. 東北地方太平洋沖地震関連 S 日本海溝沿いの海底地殻変動観測結果 3. プレート境界の固着状態とその変化 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺 S 南海トラフ沿いの海底地殻変動観測結果 【15】海洋研究開発機構 【16】その他の機関
記載分類は以下のとおりとなっています。 1.地殻活動の概況 a.地震活動 b.地殻変動 2.東北地方太平洋沖地震関連 3.プレート境界の固着状態とその変化 a.日本海溝・千島海溝周辺 b.相模トラフ周辺・首都圏直下 c.南海トラフ・南西諸島海溝周辺 d.その他 4.その他の地殻活動等 ・口頭報告(O) ・資料提出のみ(S)